平均寿命が延び、少子高齢化が進む中で「人生100年時代」という言葉が定着しつつあります。
定年後の生活を具体的に計画する上で、情報収集や手続きが大切です。公的年金、企業年金、健康保険、雇用保険、税金には慎重な準備が必要です。このページでは、注意すべきポイントをそれぞれの手続き別に紹介します。
年金の手続き
人によってタイミングは異なりますが、年金の受給手続きが必要です。年金は自身で手続きをしないと支給は開始されません。忘れずに手続きしましょう。

● 公的年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)の手続き
国の年金は、「年金請求書」を提出し、「年金証書」「年金決定通知」が届いて受け取り開始となります。2か月分の年金が偶数月の15日に指定した口座に振り込まれます。15日が土日祝日の場合は、直前の平日が年金支給日となります。
受給資格がある方には、支給開始年齢に達する誕生日の3か月前に「年金請求書」が届きます。この請求書を添付書類とともに年金事務所などに提出する必要があります。また、特別支給の老齢厚生年金を受給された方(支給が全額停止されていた場合を含む)には、65歳の誕生月初め頃に再度「年金請求書」(ハガキ)が送付されます。この場合、誕生月の末日までに提出が必要があります。
なお、2025年4月1日以降、65歳時の老齢年金請求手続きがスマートフォンを利用したマイナポータルで電子申請できるようになりました。実際に電子申請を試みたところ、スムーズに手続きを完了することができました。おすすめです。
「年金請求書」を提出すると1~2か月で「年金証書」「年金決定通知書」などが届きます。そして、それから50日程度で受け取りがはじまります。
(手続きの前に知っておきたいポイント)
・老齢基礎年金の任意加入(年金満額に)、付加年金(年金増額に)
・老齢厚生年金の特別支給、加給年金・振替加算(配偶者との年齢差)
・老齢厚生年金を働きながら受け取るときの在職老齢年金(支給停止)
・繰上げ受給(60歳▲24%)、繰下げ受給(70歳+42%、75歳+84%)
・再就職しないときの国民年金への変更(本人の場合、配偶者の場合)
・遺族年金、中高齢寡婦加算、など
● 企業年金(確定給付年金、確定拠出年金)の手続き
企業年金には、確定給付企業年金や確定拠出年金など、さまざまな種類があります。それぞれのルールや受給条件が異なります。まずは、ご自身が加入している年金の詳細を確認してください。以下は一般的手順を示します。
必要書類を準備 受給手続きには、以下のような書類が必要になることが一般的です。
・年金請求書(企業年金連合会や運営管理機関から送付される場合があります)
・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・振込先口座情報
・その他、企業年金の種類によって異なる書類
手続き窓口に提出 書類を揃えたら、企業年金の運営管理機関や企業年金連合会に提出します。
受け取り方法の選択 一時金、分割(年金)、一時金と分割(年金)の併用から選択します。
受給開始時期を確認 通常60歳以降開始ですが、加入していた年金の規約によって異なります。

具体的な手続きについては、企業年金連合会の公式サイトや、加入していた企業年金の運営管理機関に直接問い合わせると、より詳細な情報が得られます。
(手続きの前に知っておきたいポイント)
・ライフイベントにかかるお金の統計情報
・65歳以上無職世帯の平均生活費用(夫婦、単身者)
・年金種類と受け取り方(一時金、分割(年金))によるメリット(節税効果、運用効果)
健康保険の手続き
健康保険は、在職中に加入していた保険で2年間の任意継続被保険者の手続きをするか、国民健康保険に加入する手続きをするか、家族の扶養に入るかといった選択を迫られます。それぞれの制度の理解してお得な選択をしましょう。
家族の被扶養者になるのが一番お得ですが、選択できない場合は、一般的に退職前の給与の高い人は国民健康保険よりも任意継続被保険者を選んだほうがお得になるケースが多いようです。

(手続きの前に知っておくべきポイント)
・家族の扶養者になる条件
・任意継続被保険者、国民健康保険で支払う保険料
・任意継続被保険者選択での特典(傷病手当金、高額療養費制度)
・任意継続被保証者の配偶者が扶養者になれること
雇用保険の手続き
失業保険を受給するなら、会社から離職票をもらい、ハローワークで求職の申し込みを行います。65歳未満なら求職者給付-基本手当(最大150日分)、65歳以上なら高年齢求職者給付金(最大50日分)がもらえます(2025年3月現在)。

(手続きの前に知っておくべきポイント)
・任意継続被保険者、国民健康保険で支払う保険料計算
・再就職手当、技能習得手当、高年齢雇用継続基本給付
税金の手続き
12月末日以外で退職して再就職しない場合は、確定申告が必要です。
また、これまで源泉徴収で住民税を収めていた人は、退職時に定められた期間の一括支払い(一括徴収)をされた後、以降は自治体から送付されてくる納入通知書に基づき支払う(普通徴収)必要があります。

必要書類の準備
退職年の確定申告には以下の書類が必要です。
- 源泉徴収票(退職時に勤務先から受け取るもの)
- 医療費控除や生命保険料控除の証明書
- マイナンバーカードまたは通知カード
(手続きの前に知っておくべきポイント)
確定申告の期限は通常、翌年の2月16日から3月15日までです。期限を過ぎるとペナルティが発生する可能性があるため、早めに準備を進めましょう。
まとめ
定年後の生活を安心して過ごすためには、早い段階から必要な手続きを理解し、計画を立てておくことが大切です。十分な情報を収集し、最適な選択を行うことで、経済的な安定と心のゆとりを手に入れることができます。また、定年後にはまだ長い人生が続きます。新たな生活に期待と喜びを持ちながら、前向きなライフプランを設計しましょう。加えて、退職後のマネープランを確認し、安心できる備えを整えることをおすすめします。
★定年時・退職時の年齢別手続きについてはこちらの投稿も参考にしてください。
[定年制度の状況と定年到達者の動向と年齢別手続き! | 定年後のガイド]


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