定年制の状況と定年到達者の動向と年齢別手続き!

ライフプラン

定年制、継続雇用、高齢者就業率

 定年制の現状について見てみると、60歳定年が66.4%、65歳定年が23.5%を占め、これら2つを合わせると全体の89.9%に達しています。また、厚生労働省のデータによれば、60歳定年を迎えた人のうち87.4%が、その後も同じ会社での継続雇用を希望していることが確認されています。

 定年制度の制定は企業に委ねられていますが、退職するか継続雇用を希望するか、あるいは退職後に再就職を目指すかといった選択は、本人にとって重要な決断となります。こうした選択肢は、ライフプランに大きな影響を及ぼします。このページでは、退職をする際に注意すべきポイントを年齢別に分けて紹介します。

60歳になる前の退職

 ●60歳になる前に会社を退職される人は、ご自身の「国民年金」への加入が必要になります。国民年金の加入は20歳から60歳までの義務です。忘れないようにしましょう。

 ●共通事項 ※1)「健康保険」の選択、※2)配偶者の「国民年金」加入、※3)雇用保険の「失業等給付」にも注意ください。

60歳の退職

 ●国民年金の加入義務は60歳までですが、納付期間が480月(40年)未満で、60歳から65歳未満の期間において老齢基礎年金の繰り上げ受給を受けておらず、また厚生年金保険や共済組合等に加入していない場合、国民年金に「任意加入」することで老齢基礎年金の満額を目指すことが可能です。さらに、「任意加入被保険者」となることで「付加年金」を追加することもできます。これらをセットで検討してみるのはいかがでしょうか。

 ●60歳からは、年金の「繰り上げ受給資格」(老齢基礎年金、老齢厚生年金の両方)が発生します。ただし、年金はご自身で受給申請をしないと支給されない制度です。繰り上げ受給を選択した場合、年金支給額が最大24%減額されます。繰り上げ受給を行うかどうかは、制度の詳細をよく確認し、慎重に判断してください。また、老齢基礎年金の繰り下げ受給を選択する場合、国民年金の任意加入はできなくなるため、この点にも注意が必要です。

 ●共通事項 ※1)「健康保険」の選択、※2)配偶者の「国民年金」加入、※3)雇用保険の「失業等給付」、※4)「在職老齢年金」による支給停止にも注意ください。

 65歳の退職

 ●65歳から年金の受給資格が発生します。ただし、年金はご自身で受給申請を行わないと支給されない制度です。「70歳繰り下げ受給」を選択すると、年金支給額が42%増額され、「75歳繰り下げ受給」では84%増額されます。繰り下げ受給を行うかどうかは、制度の詳細を確認し、慎重に判断してください。なお、受給申請をしない場合、自動的に繰り下げ受給となる点に注意が必要です。

 ●厚生年金に20年以上加入している人が65歳になった際、扶養している65歳未満の配偶者(妻)がいる場合、夫の老齢厚生年金に「加給年金」が加算されます。しかし、配偶者(妻)が65歳になると「加給年金」の支給は停止され、その代わりに配偶者(妻)の老齢基礎年金に「振替加算」が付与されます。ただし、要件(本人や配偶者の年金受給状況、年収金額、生年月日)によっては「振替加算」が適用されない場合があるため、制度の詳細を確認することが重要です。

 ●共通事項 ※1)「健康保険」の選択、※2)配偶者の「国民年金」加入、※3)雇用保険の「失業等給付」、※4)「在職老齢年金」による支給停止にも注意ください。

全ての退職に共通事項

※1)健康保険の選択について

 会社員や公務員が退職する際には、「健康保険」の選択が必要です。「任意継続被保険者(最大2年間)」、「国民健康保険」、「家族の被扶養者になる」、「次の会社の健康保険」などの選択肢があり、選択によって社会保険料の負担に大きな差が生じますので、慎重に検討してください。 また、退職時に配偶者を扶養している場合は、ご自身の「健康保険」の選択に加え、配偶者の「健康保険」の選択も必要です。「任意継続被保険者」を選択すれば、引き続き配偶者を扶養にすることができます。配偶者を扶養にできれば、配偶者自身が「国民年金保険」に加入し、国民健康保険料を払う必要がなくなります。詳細は制度内容を確認してください。

※2)配偶者の国民年金加入について

 会社員や公務員が退職する際、60歳未満の配偶者を扶養している場合は、ご自身の「国民年金」への加入だけでなく、配偶者の「国民年金」への加入手続きも必要になることがあります。この手続きは、退職時や再就職時に届け出漏れが発生しやすい項目とされていますので、注意してください。

※3)雇用保険の失業等給付について

 60歳以降に「高年齢雇用継続給付」、65歳未満で「求職者給付-基本手当」、65歳以上で「高年齢求職者給付」と年齢によって適用される失業等給付は変わることから、その違いをよく理解して、適用のやり方を考えましょう。

※4)在職老齢年金による支給停止について

60歳以降に厚生年金に加入して働いている場合、老齢厚生年金の受給資格が発生すると、報酬(給与と賞与を基に計算)と老齢厚生年金の合計額が一定以上となるとき、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止となる「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。この場合、65歳前にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」も対象となり、同様に支給停止されますので注意が必要です。 さらに、老齢厚生年金が全額支給停止となる場合、加給年金も支給停止となります。この点も留意してください。

まとめ

 定年後の生活を安心して過ごすためには、早い段階から必要な手続きを理解し、計画を立てておくことが重要です。十分な情報を収集し、最適な選択を行うことで、経済的な安定と心のゆとりを手に入れることができます。また、定年後にはまだ長い人生が続きます。新たな生活に期待と喜びを持ちながら、前向きなライフプランを設計しましょう。加えて、早めに退職後のマネープランをシミュレーションし、安心できる備えを整えることをおすすめします。

 ★定年前に知っておきたい必要な各種の手続きについてはこちらの投稿も参考にしてください。
 [定年前に知っておきたい必要な手続き! | 定年後のガイド]

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