公的年金の繰上げと繰下げの動向と損得!

ライフプラン

 長寿命化や少子高齢化の影響を受け、定年年齢の引き上げや「人生100年時代」といった言葉が注目されています。これに伴い、定年後の生活設計について不安を抱える方も多いでしょう。その中で、公的年金は重要な生活要素の一つとなっています。

 公的年金の受給開始は、原則として65歳からです。ただ、希望すれば60歳からの「繰上げ」受給や75歳までの「繰下げ」受給を選べます。それぞれの選択には損得があり、自身のライフプランに合わせた慎重な検討が求められます

現状の繰上げと繰下げの受給動向

 公的年金受給者の令和4年度受給の選択率は次の通りです。

国民年金

  • 繰上げ受給:減少傾向(2018年度30.8% → 2022年度25.7%)
  • 本来の受給:増加傾向(2018年度67.7% → 2022年度72.4%
  • 繰下げ受給:微増傾向(2018年度 1.5% → 2022年度 2.0%)

厚生年金

  • 繰上げ受給:微増傾向(2018年度 0.3% → 2022年度 0.7%)
  • 本来の受給:微減傾向(2018年度99.0% → 2022年度97.9%
  • 繰下げ受給:微増傾向(2018年度 0.7% → 2022年度 1.3%)

 どちらのケースでも、現状では65歳での受給を選ぶ人が大多数を占めています。無理に損得を考えず、迷った場合には、本来の65歳での受給を選ぶのが安心でしょう。

繰上げ・繰下げの受給方法の特徴と損益分岐点

繰上げ受給の特徴
 繰上げ受給では、1ヶ月早めるごとに受給額が0.4%減額(2022年改定版)され、生涯その減額率が適用されます。さらに、障害年金や寡婦年金といった他の支援を受けられないリスクも存在します。短期間での受給額は増えるものの、長生きするほど累積額が不利になる傾向があります。

繰下げ受給の特徴
 繰下げ受給では、1ヶ月遅らせるごとに受給額が0.7%増額されます。この制度を最大限活用すれば、長生きによる恩恵を享受できます。ただし、税金や保険料への影響も考慮する必要があります。

損益分岐点の計算
 繰上げでは約21年後(80.8歳)、繰下げでは約12年後(81.9歳)に累積額が逆転する計算が一般的です。この選択はライフスタイル、健康状態、収入状況に加え、長生きの可能性を考慮して判断することが必要です。

繰上げ・繰下げの受給方法と損益分岐点の試算

 以下は男性の繰上げ・繰下げの受給方法とそれぞれに対する損益分岐点を示したものです。更に健康寿命と60歳まで生きた人の平均余命を示しました。最終行は100歳までの累積受給額を示しました。受給月額には、2022年度末時点の厚生年金の本来(65歳)の男性平均年金月額を使用し、繰上げ・繰下げを試算しました。

 以下は女性の繰上げ・繰下げの受給方法とそれぞれに対する損益分岐点を示したものです。更に健康寿命と60歳まで生きた人の平均余命を示しました。最終行は100歳までの累積受給額を示しました。受給月額には、2022年度末時点の厚生年金の本来(65歳)の女性平均年金月額を使用し、繰上げ・繰下げを試算しました。

まとめ

 人生100年時代を迎え、公的年金の繰上げ受給や繰下げ受給の選択は、今後の生活設計を左右する重要な決断です。それぞれの選択には損得があり、受給額や健康状態、ライフプランに大きな影響を与えます。多くの受給者が65歳での本来受給を選択していますが、迷った場合には損益や生活の安定性を見据えつつ、慎重に判断することが大切です。最終的には自分のライフスタイルと将来の目標に合った選択をし、「自分らしい暮らし」を追求することが成功への鍵となるでしょう。

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